不動産を売買や相続で取得したとき、避けて通れないのが移転登記の手続きです。
移転登記を行わなければ、不動産の所有権を第三者に主張できず、後に大きなトラブルに発展する可能性があります。
移転登記の手続きは、一見すると難しそうに思えるかもしれませんが、全体の仕組みや必要な準備が理解できれば恐れる必要はありません。
本記事では、移転登記の意味や必要となる具体的な場面をはじめ、準備すべき書類や手続きの流れをご紹介します。
目次

移転登記とは、不動産の所有者が変わった際に行う名義変更手続きの総称です。
ここでは、移転登記の目的と、なぜ移転登記の手続きをしなければならないのかを解説します。
不動産の所有権が移転したことを公的に証明するために、移転登記の手続きが必要です。移転登記は、以下のような不動産の名義が変更されたときに行います。
不動産の売買や譲渡が発生したとき
亡くなった方から不動産を相続したとき
遺産分割で不動産の所有権が変更になったとき
不動産が相続人以外の方から遺贈されたとき
不動産契約が解除されたとき
時効によって他人の土地を手に入れたとき
法務局が管理している登記記録に名義変更を反映させることで、不動産の所有権が公に認められる仕組みになっています。
移転登記は、自分が不動産の正しい所有者であることを公的に証明するために行います。
法律上、不動産の所有者が変わった場合、法務局が管理する帳簿に記録をしなければ第三者に対して不動産の所有権を主張できないと定められています。
不動産を購入して代金を全額支払っても、名義が前の所有者のままであれば、法律上の手続きは完了していません。
もし不動産の元の所有者が、同じ不動産を別の方にも売却した場合、先に移転登記を行った方が当該不動産の所有者になります。
そのため、手間や費用がかかっても、不動産の権利を主張するためには移転登記を行う必要があります。
登記の意味を理解したら、次は法務局や司法書士との連絡手段を整えておくと手続きが滞りません。連絡が取れる携帯電話は本人確認やオンライン申請の要になります。
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不動産の所有権が移転する要因は多岐にわたり、登記申請の期限や法的な義務の有無、課される税率などが異なります。
ここでは、移転登記が必要になる代表的な3種類である、売買・贈与・相続の違いを見ていきましょう。
不動産の売買では、不動産の売買契約が締結されたとき、売主から買主へと所有権が移転したことを反映させるために移転登記を行います。
買主が金融機関から住宅ローンの融資を受ける場合、金融機関が対象となる不動産を担保にできる抵当権を設定する必要があります。
そのため、住宅ローンを利用する不動産の売買では、決済日に司法書士の立ち会いのもとで所有権移転登記と抵当権設定登記を同時に申請するのが通例です。

不動産の贈与では、不動産を贈与した方から受け取った方へ不動産の名義を移します。
たとえ親族間の合意であっても、第三者が権利の移動を客観的に確認するために、移転登記が必要です。
贈与の移転登記の手続きでは、合意を証明する贈与契約書などの登記原因証明情報を法務局へ提出します。
贈与契約書などの提出は、不動産を贈与した方と受け取った方が共同で行う必要があります。
生前に不動産を贈与して移転登記を完了させることで、将来的に発生しうる相続時の紛争を未然に防げるため、不動産の贈与は生前に行うのも有効な選択肢です。
相続による移転登記は、法改正により2024年4月1日から義務化されました。
相続人は、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請しなければなりません。
正当な理由なく期限である3年を過ぎた場合、行政罰として10万円以下の過料が科されます。
遺産分割協議が難航して期限内の申請が困難な場合には、暫定的に相続人であることを届け出る制度を利用することで、申請義務を果たせます。
ただし、遺産分割が成立して不動産を取得した方は、成立を知った日から3年以内に正式な相続登記を申請する必要があります。
相続登記には3年の期限があり、司法書士や親族との連絡を絶やさないことが大切です。
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移転登記の手続きを進めるには、不動産の権利関係を証明する書面や公的な証明書類を漏れなく揃え、規定の税を納める必要があります。
手続きは法務局に対して行いますが、登記の原因によって準備すべき書類や税率が異なる点に注意が必要です。ここからは、各手続きに必要な書類の具体的な内訳と、発生する費用や申請の手順について解説します。
移転登記で法務局へ提出する主な書類は以下のとおりです。
移転登記では、立場によって求められる印鑑の要件が異なります。売主や贈与者は、手続きが本人の意思によるものであることを証明するため、実印と実印の印鑑証明書が必要です。
一方、買主や相続人の委任状などは実印でなくとも認印でも手続きが進められることがあります。書類を準備する際は、印鑑の種類に間違いがないよう注意しましょう。

移転登記の申請のときには登録免許税を納付しなければならず、金額は原則として売買と贈与は2%、相続は0.4%と規定されています。ただし、土地の売買に限っては、軽減措置により2029年3月31日まで1.5%です。
税額は、市区町村が管理する固定資産課税台帳に記載された固定資産税評価額に所定の税率を乗じて算出されます。
また、手続きを司法書士に委託する場合、登録免許税などの実費とは別に専門家への報酬が発生します。相場は司法書士事務所によって異なりますが、数万円~数十万円をひとつの目安とするとよいでしょう。
また、移転登記の申請手続きの大まかな流れは以下のとおりです。
必要書類を集める
登記申請書を作成する
登録免許税を算出して納付する
法務局へ申請する
登記識別情報などを受け取る
必要書類がそろったら、管轄の法務局の登記所窓口へ申請書と添付書類を提出します。自身で手続きを完結させる場合は、不備がないように事前に法務局の相談窓口で書類の記載内容を確認するとよいでしょう。

移転登記は、売買・贈与・相続などによって不動産の所有者が変わった際、自身の正当な権利を社会に証明するために欠かせない手続きです。移転登記を怠ると、第三者に所有権を主張できなくなるだけでなく、売却や融資の足かせになることもあります。
移転登記の手続きは、原因やそれぞれの立場によって必要書類や税率が細かく異なります。手続きを円滑に進めるためには、事前の情報収集はもちろん、法務局・司法書士・親族間での密な連絡が重要です。名義変更するときは、必要書類や費用をあらかじめ確認し、速やかに手続きを行いましょう。
移転登記の手続きは法務局や司法書士とのやり取りが続きます。連絡が途切れないよう、携帯電話の契約に不安がある方も相談できる窓口があります。
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