自己破産をしようとすると、資産状況を申告したうえで、一定以上の財産を手放す必要があります。
このうち、タンス貯金は申告しなければ見つからないだろうから手元に残したいと考える方もいるかもしれません。
しかし、実際にはタンス貯金であっても財産を隠しとおすのは困難で、発覚すれば自己破産が認められないばかりか罪に問われるリスクもあります。
本記事では、タンス貯金がバレる理由や、法的に認められる方法で手元に残せる財産について説明します。
目次

タンス貯金の存在を知っているのは自分だけであるはずなのに、なぜ隠しとおすことができないのでしょうか。
また、債務者の財産を調査する破産管財人が何をしているのか気になる方もいるかもしれません。
ここでは、タンス貯金が発覚する理由や、破産管財人がどのような調査を実施しているのかを説明します。
自己破産の手続きでは、過去2年分の預貯金通帳などさまざまな書類の提出を求められます。
それらのなかから、タンス貯金として保管するために出金した履歴が見つかれば、財産を隠していることが発覚してしまうでしょう。
また、給与明細や保険証券、保険の解約返戻金に関する証明書なども調査されるため、預貯金通帳に残らない収入も容易に把握できます。

自己破産の手続きでは、裁判所から選任された破産管財人が債務者の財産を現金化し、お金を貸していた債権者に分配します。
債務者が財産を隠して少なく申告すると、債権者への配当が減って不平等になるため、破産管財人は債務者の財産を厳格に調査しなければなりません。
破産管財人は次のような方法で債務者の財産を調査します。
自己破産を申立てるときは、債務者の所有財産を記した財産目録を添付するほか、預貯金通帳や源泉徴収票、保険証券などのコピーも提出しなければなりません。
破産管財人はこれらの資料をもとに、タンス貯金に充てられるような不自然なお金の流れがないか精査します。
その過程で事実関係の確認のために、債務者への聞き取り調査が行われることもあります。
ここで事実と異なる説明をしても、提出書類のお金の流れとの整合性がとれない点を破産管財人から指摘され、すぐに嘘が露見してしまうでしょう。
弁護士に破産手続きを依頼している場合は、弁護士が聞き取り調査に対応するのが一般的です。
また、郵便物は破産管財人へ回送されるため、未申告の生命保険や有価証券の存在が明るみに出ることがあります。このため、保険を解約して解約返戻金をタンス貯金にすることも困難です。
書類の精査や聞き取り調査の結果、さらなる調査が必要だと判断された場合は、債務者の自宅を訪問して現地調査を行うこともあり、タンス貯金が発覚するケースもあります。
このように破産管財人による徹底した調査が行われるため、タンス貯金を隠しとおすのは難しいと考えられます。
なお、自己破産の手続きで破産管財人が選任されるのは、裁判所によって財産調査が必要と判断された管財事件です。
配当できる財産がなく、免責不許可事由もない場合は同時廃止事件となり、破産管財人の選任や管財調査は行われません(ただし、裁判所への提出書類による審査自体は行われます)

破産管財人の調査の結果、財産隠しや虚偽の申告が判明した場合、免責が認められなくなったり罪に問われたりするリスクが高まります。
ここでは、財産隠しによってどのようなペナルティを受ける可能性があるのか解説します。
自己破産の申立てで財産を隠したり虚偽の申告をしたりすることは、免責不許可事由に該当し、借金の支払い免除が認められなくなる可能性があります。
免責不許可事由には、裁判所に提出する書類に虚偽の内容を記載したり、債権者に不利益をもたらしたりする行為などがあり、破産法で定められています。
免責不許可事由があっても、裁判所の判断で例外的に免責が認められる裁量免責が適用される場合もありますが、そのためには正当な理由が必要です。
財産を隠すことは不誠実な行為とみなされる可能性が高く、裁量免責が認められるのは難しいでしょう。

自己破産の申立て直前に財産を流出させる行為は、債権者への配当を減らすことにつながるため、破産管財人が否認権を行使する対象になります。
具体的には、親族に送金したり自動車を安く売却して名義変更したりする行為があります。
こうした行為を否認し、贈与や売却によって移転した財産を取り戻すための権利が否認権です。
否認権が行使されると、売却も名義変更も結果的になかったことになり、対象となる財産は破産管財人によって現金化され、配当に充てられます。
詐欺破産罪とは、債権者の利益を意図的に害する行為に対して科される罪で、財産を隠すことも該当する可能性があります。
詐欺破産罪は自己破産の手続き開始が確定した時点で成立し、手続き前に財産を不当に流出させたり処分したりする行為も処罰の対象になります。
詐欺破産罪で有罪判決を受けた際の法定刑は、10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金です。場合によっては拘禁刑と罰金の両方が科されることもあります。
実際に処罰されるケースは稀ですが、悪質な場合は罪に問われる可能性があることを確認しておきましょう。
自己破産をするとほとんどの財産を処分することになり、「通信手段までもがなくなってしまうのではないか」と、今後の生活再建に不安を感じる方も多いかもしれません。
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自己破産後の生活が心配で、処分される前に財産を隠しておきたいと考える方もいるかもしれません。
しかし、自己破産をしてもすべての財産を没収されるわけではなく、手元に残せる現金や財産があります。
これらは自由財産と呼ばれ、手放す必要がないことが法律で認められた財産です。ここでは、代表的な自由財産の例を紹介します。
新得財産とは自己破産手続き開始後に手に入れた財産で、処分の対象にはなりません。具体的には、自己破産手続き開始後に得た給与や賞与、年金などがあります。
一方で、これらが支払われた直後に自己破産を申立てると、処分される可能性があるため、手続きのタイミングに注意しましょう。
年金や生活保護を受給する権利や、生活に必要な家財道具などは、法律により差し押さえることが禁止されています。
これは、破産者の生活再建が困難になり、生活が困窮してしまうのを防ぐためです。
ただし、テレビが複数台あったり、高級な家具を所持していたりする場合は適用外になる可能性があります。
現金は99万円以下なら手元に置いておくことが可能です。
現金で保管しているタンス貯金も99万円までなら問題ありませんが、保有している現金の額は正確に申告しなければなりません。
これらの現金は、当面の生活費や生活再建のための資金として保有することが認められています。
生活再建のためには、現金や家財道具だけでなく、専門機関に相談したり仕事を探したりするための通信手段があるとスムーズです。
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まずは詳しい申込み方法を確認するところから始めてみましょう。

自己破産の手続きで、タンス貯金などに財産を隠しても、破産管財人の詳細な調査によってすぐに見つかってしまうでしょう。
財産を隠していたことが明らかになると、免責が認められないこともあるため、財産隠しはデメリットの方が大きいと考えられます。
また、無理に隠さなくても、自己破産後の生活費として一定額以内の財産を保有することが法律で認められています。
このため、自己破産をしてもすぐに生活に困窮してしまうことは少ないでしょう。
ただ、自己破産をすると信用情報に異動情報(いわゆるブラックリストの記録)が登録されてしまうため、ローンの契約やクレジットカードの発行が困難になります。
もし、通信手段の確保に悩んでいるなら、誰でもスマホを利用してみてはいかがでしょうか。
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