家族や親族が亡くなった後、その方が誰かの借金の連帯保証人になっていたと判明し、自分に返済義務が及ぶのではないかと不安を感じている方もいるでしょう。
連帯保証人の地位は、状況によっては相続の対象になる場合があります。ただし、相続しない方法や相続後の対処法も存在するため、早めに状況を確認して対応することが重要です。
この記事では、連帯保証人の死亡後に何が起こるのかを整理したうえで、地位を相続しない方法や、すでに相続してしまった場合の対処法を解説します。
目次

連帯保証人が亡くなった際、その立場がどう扱われるのかを知らないまま放置すると、思わぬ返済負担を抱えることになりかねません。
まず知っておくべき基本的な考え方として、連帯保証人の地位は一定の条件下で相続の対象になる場合があります。
ただし、すべての債務が自動的に引き継がれるわけではありません。契約内容や相続状況を早めに確認することが、対応を誤らないための第一歩です。
連帯保証人が死亡すると、その地位に基づく保証債務も相続の対象になるのが原則です。
民法の規定では、相続人は被相続人(亡くなった方)のすべての権利と義務を引き継ぐとされています。
連帯保証人としての地位もこの義務に該当するため、相続人が複数いる場合は法定相続分に応じて分割された保証債務を負うことになります。
例えば、亡くなった夫が1,000万円の連帯保証をしており相続人が妻と子ども一人の場合、妻は500万円分、子どもは500万円分の保証責任を引き継ぐ計算です。
主債務者が返済を続けている間は保証人に請求が来ることはありませんが、主債務者が返済できなくなった場合は、相続した保証債務の範囲で返済を求められる可能性があります。
一方で、連帯保証人の地位であっても相続対象にならない場合もあります。代表的なのが、連帯保証契約が一身専属的な保証とみなされるケースです。
例えば、身元保証契約(雇用に関する保証)は保証人の死亡と同時に効力を失い、相続人には引き継がれないと解釈されています。
また、主債務者が連帯保証人の死亡前にすでに全額返済を完了していれば、保証債務そのものがなくなっているため相続人に責任は生じません。
さらに、相続放棄や限定承認などの手続きを行うことで、保証債務を含む一切の負債を引き継がないようにすることも可能です。次のセクションでその方法を詳しく説明します。

連帯保証人の地位を相続したくない場合、法律上の手続きを通じて負担を回避できる可能性があります。
ただし、手続きには相続開始を知った日から3ヶ月以内という期限があります。
期限を過ぎると単純承認(すべての財産と負債を引き継ぐこと)とみなされるため、早めに専門家へ相談することが重要です。
限定承認とは、プラスの財産の範囲内でのみ負債を引き継ぐ手続きです。
例えば、相続財産として現金100万円と保証債務500万円がある場合、100万円を上限として保証債務を負担し、残りの400万円分についての責任は生じません。
プラスの財産を手放したくない場合に検討できる選択肢の一つです。
ただし、限定承認は相続人全員が共同で行う必要があります。一部の相続人が反対した場合は手続きができないため、家族間での合意形成が前提となります。
家庭裁判所への申述も必要なため、弁護士や司法書士に相談しながら進めることを検討してください。

相続放棄は、プラスの財産も含めた一切の相続を放棄する手続きです。
相続放棄を行うと、その方は初めから相続人ではなかった扱いになるため、連帯保証債務を含むすべての負債を引き継がずに済みます。
手続きは家庭裁判所への申述によって行い、相続開始を知った日から3ヶ月以内に行う必要があります。
注意点として、相続放棄をした場合はプラスの財産(預貯金・不動産など)も一切受け取ることができません。
また、相続放棄をすると次の順位の相続人(例:子が放棄した場合は親や兄弟姉妹)に相続権が移ることがあるため、親族への影響も事前に確認しておくことが大切です。
借金の総額や相続財産のバランスを見ながら、限定承認と相続放棄のどちらが自分に合っているかを判断するためにも、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
弁護士や司法書士など専門家への相談では、電話やSMSで連絡を取る場面も多くあるため、通信手段の確保が必要になります。
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相続放棄や限定承認の期限を過ぎてしまった場合や、すでに相続を承認してしまった場合でも、取れる対応策はあります。
放置すると督促や法的手続きへの移行を招くことがあるため、状況に応じて早めに動くことが重要です。
連帯保証債務を相続した後、一括での返済が困難な場合は、債権者(貸し付けた金融機関など)に対して分割払いや返済額の減額交渉を申し出ることが可能です。
債権者も全額回収できない事態を避けたいため、相続人の返済能力に応じた条件を話し合いで決める余地がある場合があります。
連絡を絶たずに誠実な姿勢で交渉することが、結果として条件改善につながる傾向があります。
連帯保証人が債務を肩代わりして返済した場合、主債務者に対して返済した金額の返還を請求することが可能です。
これを求償権の行使といい、例えば保証債務として200万円を返済した場合、その金額を主債務者へ請求できます。
ただし、主債務者に返済能力がない場合は現実的な回収が難しいこともあるため、求償請求の実効性は主債務者の状況次第となります。

保証債務の返済が生活を圧迫するほど大きい場合は、弁護士や司法書士に相談して債務整理の手続きを検討することも選択肢の一つです。
代表的な手続きとして以下のものがあります。
任意整理:弁護士などが債権者と直接交渉し、将来の利息をカットして返済額を減らす方法
個人再生:裁判所を通じて借金の総額を大幅に減額する方法
自己破産:すべての借金をゼロにする方法(一定の財産は処分が必要)
弁護士や司法書士に依頼した後は、債権者からの督促が止まり返済も一時的に中断されるため、精神的な余裕を取り戻しながら手続きを進められます。
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連帯保証人の借金を相続した場合は、弁護士やほかの相続人と継続して連絡を取る必要があります。保証債務への対応と生活費を整理するなかでも、無理なく支払える方法で連絡手段を維持しておくことが大切です。
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